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エミグレマガジンが創刊から21年目に休刊となった。といっても、エミグレグラフィックス自体が無くなる訳じゃないけど。でも好きだったバンドが解散してしまったようで、なんだか寂しい。最終号になるLast Issue "THE END No.69" と、それに伴って、特集が組まれたアイディア誌とを買った。初めてアメリカに行ったとき、書店でエミグレ誌を買いあさった。(パルコブックセンターとかでもあつかっていたが、Amazonもない時代。結構高かった。)そのころがちょうど10周年(10 th Aniversary Issue)。2005年で21周年だそうだ。エミグレの歴史は、ちょうどApple社のマッキントッシュの歴史と重なる。(1984年1月22日、スーパーボールの中で歴史的なマッキントッシュデビューのテレビコマーシャルが放送された。)
ニューエイジタイポグラフィの戦陣を切っていた時期もあったが、ここ数年はクラッシックな書体を基にリカッティングしたりと、一見地味ながらかなりエレガントで完成度の高いフォントを立て続けで、リリースしている。たとえば、Mrs Evesには、多彩なリガッチャ(合字)が用意されており、付属のソフトで、合字をコントロールできる。ある意味、初期のジャギーがかったLaw resやemigreフォントから現在まで、テクノロジーにたいして親和性とパンクな精神は一貫している。
エミグレマガジンはエミグレのアジテーティブなマニフェストや、良質なデザイン、文化の特集だけでなく、エミグレの書体見本として、毎回驚かされた。もちろん、毎回送られてくるフォントブローシャー(しかも無料!)も非常にクールだった。
僕にとっては、エミグレマガジンもフォントも、西海岸を感じる風だったが、そもそもファウンダーの二人は、オランダ、東欧からやってきた、移民。エミグレという名前はEmigretion(=移民)からきている。
アイデア誌 特集:エミグレの歴史 1984-2005 北カリフォルニアを拠点に,デザイン雑誌の出版とデジタル書体の制作を主軸に活動する「エミグレ」。1984年,マッキントッシュ・コンピュータの登場と期を同じくして彼らが創刊したデザイン誌「エミグレ」は,過去21年間,69号にわたり,常に時代の尖端を行く編集方針と革新的な誌面のタイポグラフィによって,世界中のデザイナーに絶大なる影響を与えてきた。「エミグレ」誌の活動の軌跡そのものが,20世紀後半から現在に至るグラフィックデザインとタイポグラフィの激動の時代を伝える第一級の歴史的資料である。
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